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豊島九段の雁木に藤井名人が棒銀で応じ封じ手 名人戦第3局 - 毎日新聞

立会の佐藤康光九段(手前右)に封じ手を渡す藤井聡太名人(同左)。奥中央は挑戦者の豊島将之九段=羽田空港第1ターミナルで2024年5月8日午後6時57分、北山夏帆撮影 拡大
立会の佐藤康光九段(手前右)に封じ手を渡す藤井聡太名人(同左)。奥中央は挑戦者の豊島将之九段=羽田空港第1ターミナルで2024年5月8日午後6時57分、北山夏帆撮影

 藤井聡太名人(21)に豊島将之九段(34)が挑戦し、藤井名人の連勝で迎えた第82期名人戦七番勝負第3局(毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛、日本空港ビルデング協力)が8日、東京都大田区の羽田空港第1ターミナルで始まり、藤井名人が45手を封じて1日目の対局を終えた。持ち時間各9時間のうち消費時間は藤井名人3時間7分、豊島九段5時間18分。9日午前9時に対局を再開する。

 タイトル戦初の空港対局は、立会の佐藤康光九段が対局開始を宣言して始まった。検討陣に角換わりや振り飛車を予想する棋士もいる中、豊島九段は4手目に角道を止め、雁木(がんぎ)に進めた。藤井名人は右銀を足早に繰り出して3五歩(21手目)と先攻し、豊島九段は角交換して攻めをかわしつつ右銀を繰り出して対抗した。

 藤井名人が飛車と銀との連携で「棒銀」の攻めを見せると、豊島九段は昼食休憩を挟む1時間47分の長考で4一玉(34手目)と攻めを誘う手を決断。藤井名人が棒銀を決行すると、豊島九段は40手目で更に2時間を超える長考に沈んだ。

 解説の阿部光瑠(こうる)七段は「豊島九段は7五歩(38手目)からの反撃に期待したかもしれないが、再度の長考は変調。誤算があったかもしれない。藤井名人の方針は分かりやすく、豊島九段は耐えてチャンスを待つしかない」と話した。【丸山進、新土居仁昌】

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