カジノを中核とする統合型リゾート（ＩＲ）を巡り、大阪市への建設を計画しているＭＧＭリゾーツ・インターナショナル（米国）の日本法人は１７日、大阪府と同市に提出したＰＲ動画やイメージ図に、著作権者から承諾を得ずに複数の芸術作品を使用していた可能性が高いとして、謝罪文を公表した。国際的に活躍する美術家・奈良美智さんの作品「あおもり犬」が含まれているという。
同社や府、市によると、動画などはＭＧＭ側が製作し、２０２１年７～９月に府、市に提出。府と市はホームページに掲載するなどしていた。
大阪ＩＲの整備計画が政府に認定された今月１４日、奈良さんが自身のツイッターで、作品の無断使用を指摘したため、ＭＧＭ側が内部調査。動画などに登場するＩＲ施設の屋外にある展示物が、犬をモチーフにした高さ約８・５メートルの「あおもり犬」に酷似していたことがわかった。アーティストの村上隆さんの作品も無断使用の可能性があるという。
ＭＧＭの日本法人は「不注意によるもの」とした上で、動画などは削除すると説明。「深く反省している。引き続き調査を進め、再発防止策を講じる」とのコメントを出した。
ＩＲのＰＲ動画などを巡っては、２１年１０月にも府と市に外部から「あおもり犬」の無断使用の指摘があったが、ＭＧＭ側は府と市に「許諾を得ている」と回答していた。
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