大阪府と大阪市は17日、府市が計画しているカジノを含む統合型リゾート施設(IR)のイメージを紹介した資料や動画に、著名な芸術家の作品を無断で使用した可能性が高いと発表した。いずれも運営事業者側が提出したもので、府市は同日、ホームページなどで公開していた資料を削除し、謝罪した。
作品は、日本を代表する現代美術家の奈良美智(よしとも)さんの「あおもり犬」と、村上隆さんがデザインした花のような図柄。奈良さんの作品は資料と動画に、村上さんの作品は動画に含まれていたという。
運営事業者はMGMリゾーツ・インターナショナルの日本法人とオリックスの共同事業体。府市によると、MGM側は令和3年9月までに動画や資料を提出。府市が同月末に運営事業者として選定、発表した会見時に動画や資料も公開した。
政府が府市のIR整備計画を認定した今月14日、奈良さんが自身のツイッターで「使用を許可したこともない、というか許可自体を求められたこともない」と指摘。事業者側の調査で許諾を得ていない可能性が高まったため、17日に資料の公開を取りやめた。
同日会見した府市の担当者は「深くおわびする」と謝罪した。事業者側も「不適切な形で使用したことを心よりおわび申し上げる」とのコメントを発表した。
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