ピーナッツ! 2021年1月にスタートした本連載「週刊デアゴスヌーピー」。かれこれもう2年以上継続しているワケで、大体のことは経験してきたと思っていた。面倒な作業も多いけど、まあ今の自分なら何とかなるでしょう! と。だがしかし……。
もしかするとこの第117号は、歴代トップクラスの難易度だったジョウロの回(第23号参照)と同等、いやそれ以上のウルトラC級モンスターかもしれない。そのあまりのムズさに私(あひるねこ)の精神は崩壊寸前。ここへ来てついにリタイアとなってしまうのか……!?
・第117号の中身
先に言ってしまうと、今号の中身はサイズこそ大きいものの、入っているパーツ自体は極めて少なくシンプルだ。まず最初に棚板。
続いて底板。
屋根板。そして……
最後に出てきたのがフィルム(大・小)と……
型紙(大・小)という見慣れぬパーツだった。え、これだけ? と思うかもしれない。しかしこの後、私はたった4枚のフィルムと紙によって地獄を見ることになる──。
・作業スタート
それではさっそく作業に入っていこう。まずはフィルム(大)を手でよくもみ、全面にシワをつけていく。モミモミモミモミ……。
シワがついたら型紙(大)の裏面に当てて形を合わせ、端にマスキングテープ等を貼って固定する。
同じ要領でフィルム(小)と型紙(小)も固定。
今度はフィルムを裏返し、型紙の線に沿って定規を当てて、カッターナイフでフィルムを切り分けていく。最初に長い線、次に短い線という順番で切っていくと……
こんな感じのヒラヒラした銀のリボンが完成した。にしきのあきらの衣装に付いているアレ的なヤツだ。切り出した6組のうち4組を使用。あとの2組は予備である。
これもやはり同じ要領で、小さいフィルムと型紙も切り分ける。合計8組のリボンの完成だ。
何やら見たことがない作業が続くが、ここまではただの準備体操。本当の地獄はこれから始まるぞ。前号で組み立てた「定番、名場面 -エミリーとダンス」のボックスを用意したら、奥壁の切り込みにリボン(太)を1組入れ……
端を後ろ側に折り返し、瞬間接着剤をつけて止める。
で、今度は3本に分かれたリボンがバランスよく垂れるよう左壁に導き、壁の上側から約35ミリの位置を目安に接着剤で止める……いやいやいやいや、何を言ってるのかよく分からん! え、リボンを壁の端っこに貼るの? ここ厚さ1ミリくらいしかねーぞ!!
ダメ元でとりあえず接着剤をつけてみるも、貼れる面積が激狭すぎて何度も何度も落下してしまう。知ってた。リボンがくっつくか否かは、もはや運と言っていいだろう。こんな曖昧な作業があっていいのか。
しかも恐ろしいことに、壁側のリボンだけでなく、先ほど奥の切り込みに止めたはずのリボンの端側まで何度もはがれて落ちてくるのだ。お前ら固定される気あんのか? 少しは自分から率先してくっつこうという姿勢を見せてもらいたいものである。指示待ちリボンかよ。
それでもなんとか貼り付けたら、今度は「リボン(太)をもう1組セットして右壁に導いて止めろ」とデアゴスティーニ。もちろんくっつかないリボン。再びはがれる切り込みの端側。終わらない絶望。過ぎ行く時間。「クソが……!」と叫ぶあひるねこ。
この苦行をさらに2組分繰り返した私の指先は、接着剤によって1日10時間の練習を欠かさないギタリストの如く硬質化していた。なんという難易度。なんというストレスだろうか。しかし、それでもデアゴスティーニ軍曹は手を緩めることはなかった。次の指示はこうだ。
同じ要領でリボン(細)をあと4組止めろ。
・連載終了の危機
デアゴスヌーピーを作り出して2年以上経つが、初めてかもしれない。本気でやめようと思ったのは。それくらい今回の作業は過酷だった。そして、過酷な割には動きがなくて地味だった。まさに絶望の全部のせ。踏んだり蹴ったりとはこのことだろう。
最後に、壁からはみ出したリボンをハサミでカットしたら……
完成である。
・歴代最強
リボンをよじる、バランスよく垂れるようにする、といったデアゴスティーニからの指示は、基本すべてシカトしたぞ。くっつけるだけで精一杯だったからな。おかげで装飾が加わり、華やいだ雰囲気になったのはいいが……いやぁ、本当に大変でした。
今回の作業と比べると、あの厄介な草パウダーも花シートも葉シートも、そこまで難敵ではないとうっかり感じてしまう。できれば二度と私の人生に関わってほしくないレベルの超ド級の悪夢であった。
では……疲れたので今回はこれで終わろうと思います。また次号お会いしましょう。ピーナッツ。
参考リンク:デアゴスティーニ
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
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