デジタル庁がアニメ「SPY×FAMILY」と連携して展開している、マイナンバーカードの普及キャンペーンが話題だ。同庁の特設サイトや動画にはアニメのキャラクターが登場。カード取得のメリットを発信している。一方、SNSでは「スパイのキャラに個人情報を握らせるとは何事だ」というツッコミも。実は、SPY×FAMILY起用の背景には、ちょっとした事情があるようだ。
SPY×FAMILYは、遠藤達哉さんのまんがを原作とするスパイコメディー。2019年3月から「少年ジャンプ+」(配信アプリ)で隔週連載し、閲覧数は22年3月時点で2億8000万PVを超えた。コミックスは10巻まで刊行し、累計発行部数は1250万部を超えている。
メインキャラクターはスパイの「ロイド・フォージャー」、殺し屋の「ヨル・フォージャー」、心を読める超能力者「アーニャ・フォージャー」。彼らがそれぞれの事情から偽装家族になるストーリーだ。
一方で、作品の設定もあってか、今回のキャンペーンに対してはツッコミの声が多い。SNSでは「ちち絶対マイナンバーカード偽造してる、はは人ころしてる、アーニャまともな戸籍ない」「ロイドさんとアーニャのマイナンバーカードあるとしたら偽造じゃね?」といった声も見られ、12月20日午後4時半時点で「デジタル庁」がトレンド入りするなど話題になっている。
若年層と40代、両方にアプローチする狙い
ただ、デジタル庁の狙いは別のところにあるようだ。同庁が20日に公開した河野太郎デジタル大臣の会見動画によれば「10代20代、若年層の申請が遅れている。さらに子供のいる40代も、忙しいせいか、前後の世代に比べ普及が遅れている」(河野大臣)という。
そこで若年層や子供がいる親世代の両方に訴求する方法として、SPY×FAMILYを起用したと河野大臣。「SPY×FAMILYは10代20代を中心に幅広く認知されている。小さい子供と一緒に視聴している保護者も多いと思うので、解説動画を作成した」(河野大臣)
ちなみに、河野大臣は外務大臣時代、まんが「ゴルゴ13」を起用した安全対策マニュアルを作成する企画にも携わっている。意表を突いたPRが得意な河野大臣、今回は狙い通りにいくだろうか。
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