2023年5月15日 07:00
福原遥と水上恒司の主演で、汐見夏衛氏によるベストセラー小説「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」(スターツ出版文庫)が映画化されることがわかった。メイキング映像とイメージビジュアル、福原と水上のコメントが披露された。本作は4月1日にクランクインし、茨城県行方市内に建てられたオープンセットや、栃木県、群馬県などで撮影。5月4日に静岡県・可睡ゆり園でクランクアップした。公開は12月8日を予定している。
原作は、TikTokで話題となり、「初めて本を読んで泣いた」「号泣してやばい」「同じ世代の人たちに読んでほしい」など10代を中心に人気を博したシリーズ累計発行部数50万部の大ヒット小説。現代の女子高生が1945年の日本にタイムスリップし、特攻隊員と出会い恋に落ちるさまを描く。監督は、多くのCMを手掛け、長編映画は「光を追いかけて」に続き2作目となる成田洋一が手掛ける。
主人公は、親や学校、すべてにイライラして不満ばかりの女子高生・百合。ある日、母親と喧嘩をして家出をし、目が覚めるとそこは戦時中の日本だった。偶然通りかかった彰に助けられ、彼の誠実さや優しさに惹かれていく百合。だが、彰は特攻隊員で程なく命がけで戦地に飛ぶ運命だった。
百合役を演じるのは、NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」以降初の映画主演となる福原。福原は、「戦争について学校で学んだことはあっても、分からない感じきれない思いをこの作品から感じることができました」と語り、「私が演じる百合が、戦争の時代にタイムスリップをして、彰という人に出会って初めての恋をして、愛というものを知ってどう成長していくのか、是非見守っていただければと思います」とコメントを寄せた。
百合の自由にものを言う姿に驚きながらも惹かれていく特攻隊員の彰役の水上は、「私自身が芝居に興味を持ったきっかけが高校演劇で特攻隊員の古賀正一という青年を演じたことでした」と明かし、「彰という役を生きる意味は、私より下の世代に『戦争』というもの、日本がしてきたこと、世界の戦争の歴史を知るきっかけを与えるためだと思います」と熱い思いを語った。
2人は、21年放送の日本テレビ系ドラマ「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」以来2度目の共演。福原は「(水上は)とてもストイックな方なので、ご一緒させていただけて嬉しいですし、すごく安心感があります。撮影に入る前にたくさんお話をさせていただいたので、役について色々と考えることができました」とコメント。水上も「(福原は)とても無邪気で、清涼感溢れ、この世の全てを愛しているような、まさに百合のようなお方だと思いました」と印象を語った。
福原と水上、制作陣のコメント全文は以下の通り。
【福原遥】
◆出演が決定したときの気持ちは?
――まずは原作を読ませていただいて、とても感動して素敵な作品だなと本当に思いました。
この物語が2時間という映画になるということで、「どうなるんだろう」「自分にできるかな」という不安な気持ちも感じました。
ですが原作が素晴らしいですし、戦争を題材にした作品ですので、しっかりとリアルに演じられるように頑張りたいです。
◆原作を読んだ時の心情は?
――ぐっとくるものがありました。戦争について学校で学んだことはあっても、分からない感じきれない思いをこの作品から感じることができました。「この時代の方々は色んな思いで生きていたんだな」と考えただけで胸が苦しくなります。
◆彰役の水上恒司さんの印象は?
――共演は今回で2回目になります。とてもストイックな方なので、ご一緒させていただけて嬉しいですし、すごく安心感があります。
撮影に入る前にたくさんお話をさせていただいて、役について色々と考えることができました。
◆観客へメッセージ
――私が演じる百合が、戦争の時代にタイムスリップをして、彰という人に出会って初めての恋をして、愛というものを知ってどう成長していくのか、是非見守っていただければと思います。
すごく切なくて、でも本物の愛を感じられる作品になると思いますので、公開を楽しみに待っていてください。
【水上恒司】
◆出演が決定したときの気持ち、準備したことは?
――私自身が芝居に興味を持ったきっかけが高校演劇でした。その際に頂いた役が特攻隊員の古賀正一という青年でした。また、広島と長崎にも不思議な縁があり、彰が生きた時代には物心ついた時から関心がありました。
私の会ったことのある親族や大事な人が戦争の犠牲者がいないため、私は戦争を冷静に見ることができると思っています。そんな私が今回彰という役を生きる意味は、私より下の世代に『戦争』というもの、日本がしてきたこと、世界の戦争の歴史を知るきっかけを与えるためだと思います。
◆脚本を読んだ感想は?
――やはり、役者としてこの台本を更にどこまで大きくできるか、というワクワクに駆られました。
◆撮影を終えて、彰役を演じた今の感想は?
――撮影の半ば、成田監督に「彰だけ別世界にいるよう」と言われ、ある程度作戦通りいったのかと思います。彰は人間ではない、自己が一部欠如した愛に溢れた妖怪のようなイメージですので。
◆百合役の福原遥さんの印象は?
――とても良い意味で、普通の女の子でした。今回の現場にいた福原遥さんはとても無邪気で、清涼感溢れ、この世の全てを愛しているような、まさに百合のようなお方だと思いました。
◆観客へメッセージ
――先程も申し上げました通り、今作を観た後に勉強をし始めるキッカケになることを望んでいます。日本が受けた暴力も、日本が世界に与えた暴力も。若い世代に両側を知ることを望みます。
百合と彰のような健気な人々を破壊するのが『戦争』だということを、今作を通じてお伝えできれば幸いです。
【原作・汐見夏衛】
このたび『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』の映画化が決定いたしました。
撮影見学の際、スタッフの皆様キャストの皆様が試行錯誤しながらひとつひとつのシーンを作り上げていらっしゃる姿を目の当たりにして、こんなふうに大切に作っていただけて幸せだなと感激しました。
これまで本作を応援してくださった皆様、本当にありがとうございます。一緒に公開を楽しみにしていただけましたら幸いです。
【監督・成田洋一】
人を愛することの自由を時代によって奪われた男と女。それでも抑えられない感情を恋と呼ぶのかもしれない。
それは時空を超え、「覚悟」を激しく揺さぶる……脚本を書いてる時も、撮影している時も、幾度となくそのやるせなさに涙しました。若い人にこそ見ていただきたい映画です。
【プロデューサー・西麻美氏】
◆百合役:福原遥さんについて
「ゆるキャン△」や「3年A組―今から皆さんは、人質です―」を拝見して様々な役を演じつつも、常に凛とした真っ直ぐな瞳が印象的でした。
百合は周囲にイライラした毎日を送りつつも、特攻隊員たちと触れ合う中で真っ直ぐに成長していくキャラクターです。そのキャラクターを福原さんなら演じ切れる、そう思いました。
◆彰役:水上恒司さんについて
彰役に関しては、まだ岡田健史さんというお名前で活躍されている頃から彼しかいないと思っていました。
死を覚悟しているのに百合や周囲の人たちに優しくできる彰の懐の大きさ、そして瞳の奥に秘めた切なさをきっと水上さんなら表現してくれる、そう思いました。
(映画.com速報)
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