福山雅治(53)が31日、都内の六本木ヒルズアリーナで行われた主演映画「沈黙のパレード」(西谷弘監督、9月16日公開)ジャパンプレミアイベントに登壇。13年の映画「真夏の方程式」以来、9年ぶりに帝都大教授で物理学者の湯川学役として帰って来られたことに「帰って参りました」と喜んだ。一方で、フジテレビ系「月9」枠で07年にドラマの第1弾が放送された際は「始まった当初、当然ですけど、まさか22年まで続くというふうには思っておりませんでした。10数年経っても、世界観の住人として生きていられること、1人のお芝居をする人間としても、うれしく思います」と感慨深げに語った。

「沈黙のパレード」は、東野圭吾氏の推理小説「ガリレオシリーズ」が原作のドラマで07年、13年に放送され平均視聴率21.9%を記録した「ガリレオ」の映画版として、08年に公開され、興行収入49億2000万円を記録した「容疑者Xの献身」に続く第3弾。湯川のバディ的存在の警視庁捜査1課の刑事・内海薫役の柴咲コウ(41)と湯川の親友で内海の先輩の刑事・草薙俊平役の北村一輝(53)の、3人がそろうのも9年ぶりで、柴咲は、福山にならって「帰って参りました」と笑み。北村は「この映画、最高です。見たみんながグータッチしたくなる」とアピールした。

福山は、東野圭吾氏の同名原作が18年に出版された段階で読んだという。「映画化の話が届く前に、新しい原作が作られたというのがあったので、その時点で恥ずかしながら『あれが、ああなるんだな』と思って読んでいました。読みながら『これは僕のことだよね』と…恥ずかしながら」と、映画化の話が来る前に原作を読んだ段階で映画化を意識していたと照れながら明かした。その上で、東野氏と一緒に試写を見た際の感想を聞かれ「グータッチされた時、ホッとしました」と笑みを浮かべた。

福山は、湯川役にどう戻ったかと聞かれると「僕の中で、撮影現場で湯川に戻ると言うよりは、衣装合わせでオールキャストがそろうので、衣装を着てヘアーを作って眼鏡を装着し、帰ってきたんだなと思われたら最初のミッションがクリアだな、と思ったので緊張しました。その何カ月か前からヘアーとスーツの仕立てには入っていました。僕には、そんな準備がありました」と振り返った。

福山は映画の撮影の前に、公開翌日の9月17日午後9時からフジテレビ系で放送されるスペシャルドラマ「ガリレオ 禁断の魔術」の撮影を終えていたという。一方、映画の撮影から入った柴咲は「撮影の初日に結構。掛け合いがあるシーンからスタートしてドア間が取られていた。すっかり湯川先生でした。そこで久しぶりの薫をまとった私…緊張しました」と福山が完全に湯川になっていたと振り返った。その上で「想像を働かせたんですけど、完全なる湯川先生が現れて『おっ、やらなきゃ!』と思いました」スイッチが入ったと振り返った。一方、福山は柴咲との共演シーンを振り返り「実に感動的でしたね。(西谷監督が)泣いていたか、いないないかは重要じゃなくて、監督もエモくなり、我々もエモくなり…エモさのらせん階段」と語った。

「沈黙のパレード」は、湯川(福山)の元に内海(柴咲)が相談に訪れる。行方不明になっていた女子学生が、数年後に遺体となって発見された。内海によると容疑者は、湯川の親友でもある先輩刑事・草薙(北村)がかつて担当した少女殺害事件で、完全黙秘をつらぬき、無罪となった男・蓮沼寛一(村上淳)。蓮沼は今回も同様に完全黙秘を遂行し、証拠不十分で釈放され、女子学生の住んでいた町に戻って来たが、夏祭りのパレード当日に殺された。女子学生を愛していた家族、仲間、恋人…全員に動機があると同時にアリバイがあり、全員が沈黙し、湯川、内海、草薙にまたも超難問が降りかかる。主題歌は9年の時を経て再結成となる福山と柴咲によるユニット≪KOH+≫が、福山が書き下ろした主題歌「ヒトツボシ」を歌唱することも話題となっている。

この日は、飯尾和樹(53)戸田菜穂(48)田口浩正(54)川床明日香(20)出口夏希(20)岡山天音(28)檀れい(51)椎名桔平(58)も登壇した。