雄大な楽曲と情感あふれる歌唱で多くの聴き手の心を揺さぶってきたシンガー・ソングライターの谷村新司さんが8日、死去した。代表曲「昴―すばる―」は国境を超えて愛され、日中友好にも尽力した。
「アリス」の一員として1972年にデビューし、ラジオ番組「セイ!ヤング」に出演。軽妙なトークで若者の心をつかみ、「チンペイ」の愛称で親しまれた。アリスは75年の「今はもうだれも」で人気バンドになり、その後も大ヒットを連発。中でも「チャンピオン」は聴き手を鼓舞するロック風の曲調で80万枚近い売り上げを記録した。81年に活動休止したが、度々再結成し、昨年は50周年を記念するコンサートを開催した。
ソロとしては「昴」に代表されるように悠然とした雰囲気の佳曲を生み出した。この曲は中国をはじめアジア各国で愛され、現地の歌手も取り上げてヒットさせている。中国との懸け橋となる始まりは、2日間で2万人を動員した81年8月のアリスの北京公演だった。後に親交を深めた中国の歌手から、「アリスの公演がきっかけで、皆がギターを持ち始め、自分の歌を作り始めた」と言われたという。
共にアリスのメンバーの堀内孝雄さんは「来年のツアーに向けて回復に向かっていると伺っていただけに、とても残念。僕にとって、50年来の親友であり、バンドリーダーであり、良きライバルでした」と悼み、矢沢透さんは「3人でアリスとして歩み始め、時にいがみ合い、時に抱き合い、幾多の苦難も喜びも共有しました。その谷村がもういない。悲しいというより悔しい」とコメントした。
【北京=吉永亜希子】音楽を通じて日中の友好に尽くしてきた谷村さん。中国でも多くの人が死を悼んだ。
谷村さんが教べんを執った上海音楽学院の陳強斌教授(59)は、人の感情のとらえ方を歌詞作りにどう生かすか教える姿を覚えている。「偉ぶったところのない素晴らしい人だった。多くの学生が悲しい知らせとともに、谷村さんとの日々を思い出している」と語った。
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